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白山神社

山県市唯一の国指定重要文化財!人々が守って来た室町時代の特徴を残す拝殿

建立は約500年前!厳かな雰囲気を放つ拝殿は必見です。

山県市東深瀬の山の裾にある「白山神社」。
県道256号から東へ、細い道を進んだ先にあるこぢんまりとした神社ですが、実は、山県市で唯一の国指定重要文化財になっている拝殿がある神社なのです!

創建は文亀2年(1502)と伝えられており、拝殿の屋根のなだらかな勾配や四隅のはね上がった線が作る優雅な姿は、室町時代の特徴をよく表しています。
祭神の伊邪那美神(いざなみのかみ)は拝殿の裏手の山肌にある本殿に祀られています。

拝殿の規模は正面五間(約9m)、側面三間(約5.4m)で、のきを支える船形の舟肘木や一軒疎垂木、格式が高いとされている入母屋造りの手法が取り入れられています。
屋根の妻は二本一組の斜材の叉首を一間程度の間隔で連続的に並べて屋根を支える叉首組(さすぐみ)の構造、屋根は檜皮葺になっています。

この拝殿ですが、建てられたのはなんと約500年前だそう!
記録に残っているだけでも5回の修復がされているとのことで、近年では昭和39年(1964)から40年(1965)に文部省の技士の指導の元で、大工、人夫、屋根葺師などが仕事をされたそう。
これまでもずっと多くの人の手によって手入れされ、守られてきたからこそこの姿を残しているんですね!

地域の歴史を見守り、その人々に守られてきた神社

高富町は、その昔、高富村、佐賀村、高木村、梅原村、東深瀬村、西深瀬村などといった村に分かれていた地域でした。
各地域にはそれぞれ神社が建立され、それらは地域の人の精神的よりどころであると同時に、庶民の娯楽の場所でもあったそうです。

東深瀬村の村氏神が白山神社で、この神社の祭りが東深瀬村全体の村祭りでもありました。
祭りでは桐で作った男女の人形を別々に藁のツトの真ん中に挿し、その周りに桜の造花を挿したオハナというものが作られます。
祭りの行列では桟俵(さんだわら)という米俵の底と蓋になる円い部分をかぶって箒を持った人が先頭に立ち、神官やお神酒、お供え、オハナと並んで歩いていきます。

東深瀬村は鳥羽川を挟んで東側の地域の北東の山沿いに点在する集落でした。
耕作地は深い沼が多かったそうで、雨が降ると泥海のようになることも多かったといわれています。
白山神社は山裾で少し高めになっている土地にあるとはいえど、中世に建立された神社で、こうして現在まで残っていることは大変貴重です。

華美ではない神社ですが、拝殿の前に立つと厳かな雰囲気が感じられる事間違いなしです。ぜひ一度足を運んでみてください!


2021.06.28

INFORMATION

名称
白山神社
所在地
岐阜県山県市東深瀬318
お問合せ
0581-22-6845(生涯学習課)
女性のイラスト
東深瀬や西深瀬は昔から鳥羽川が氾濫することも多く、沼地で耕作が大変だった地域だと聞いています。そんな場所で、室町時代の建築様式を残す神社が現存しているのは本当にすごいことです! 今は東深瀬村ではなく山県市の一地域として存在していますが、昔は村ごとにいろんな組織があって、地域ごとの文化があったんだろうなと想像できます。白山神社や東深瀬村の歴史が知りたい方は、山県市図書館などで借りられる『高富町史』などに詳しく載っているので、調べてみるのもおすすめです♪ 各村ごとの過去の出来事、例えば、どうやって年貢を納めていたかとか、どうやってその神社が作られたかとかが詳しく記載されていて、この地域の成り立ちがよくわかって面白いですよ!