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伊自良大実柿

唯一無二の奇跡の干し柿!軒先を飾るオレンジ色のカーテンは圧巻の光景♪

二つの偶然が生んだ奇跡の渋柿!干し柿時の糖度は驚異の66度!

一口食べると、口の中いっぱいに芳醇で強い甘味が広がります。
その干し柿は「伊自良大実柿(いじらおおみがき)」という、世界でも伊自良北部でしか栽培されていない貴重な柿で作られています。
一般的な干し柿は糖度50度前後といわれていますが、この干し柿の糖度はなんと66度!
伊自良大実柿は非常に強い渋柿なんですが、柿は元が渋ければ渋いほど、干した時に甘味が強く出るといわれています。

伊自良大実柿の歴史は古く、文献によるとおよそ400年から500年前にまで遡ります。
伊自良村出身の者が全国行脚していた際、偶然近江の地で見事な柿の木を見つけ、その枝を持ち帰って地元の柿の木に接木(つぎき)してみると、たちまち見事な実がなる柿の木ができました。
以来、大きく実ってほしいという願いと「近江」の響きから、「伊自良大実柿」と呼ばれるようになったとか。

そしてもう一つの偶然は、この伊自良地区(しかも北部のみ)が、やたら水はけが良かったという点です。
他にも日照条件などの様々な環境が柿渋づくりに適していて、他の地区と比べても干し柿にした時の甘さが全然違って来るといいます。

こうした二つの偶然によって、世界でもここだけ、唯一無二の奇跡の渋柿が誕生したんですね。
今では飛騨・美濃伝統野菜にも認証され、山県市の特産品としても多くの人から愛される柿となっています。

軒先を飾るオレンジ色のカーテン!秋の風物詩"伊自良大実連柿"。

晩秋の11月中旬になると、伊自良北部の平井地区の家の軒先は美しいオレンジ色に染まります。
そのオレンジ色のカーテンの正体は、大量に吊るされた干し柿。
竹串に刺した3個の柿を藁で縦に10列繋ぎ、30個で一連としたものを農家の軒先いっぱいを使って並べて干しているんです。

並べられた3つの柿は「親・子・孫」を意味し、それが連なることで子孫繁栄を願っているといわれています。
その壮観で美しい光景は「伊自良大実連柿(いじらおおみれんがき)」と呼ばれ、最近ではテレビでも放送されるなど話題になりました。
干し柿生産用として連柿をしているのは全国でもここだけとあって、その希少性の高さも注目されています。(※見学は自由ですが、個人宅のため敷地内に入ったり柿に触れたりすることはやめましょう)

この連柿を作るには、まず専用かんなで皮を?くことから始まります。
このかんなは100年前からこの地方でのみ使われてきた特別なもの。
通常のピーラーや機械で皮を剥くと果肉まで削いでしまってベタベタになるんですが、このかんなを使うと微妙な力加減で皮を薄く剥くことができるのだそう。

そして串に刺した柿を殺菌するためにいったん硫黄で燻し、そこから天日干しで1ヶ月かけてゆっくりと自然乾燥させます。
カビや菌がつかないように、風通しや湿度の管理をしつつ、日差しが万遍なく当たるようにこまめに向きも変えてやります。
やがて柿は美しい飴色になって甘味が凝縮されてくると、縦筋と呼ばれる線が現れるので、それを合図に藁で作った小さなほうきで柿の表面に傷をつけていきます。
そうすることで柿から白い粉が噴くようになり、さらに糖度が出るようになります。

干し柿が完成すると、連柿はいったん一つづつ外してバラバラされ、改めて出荷用に太い藁に編み直すという大変な作業が待っています。
まさに我が子を育てるように、ひたすら手間をかけて、ようやく大きく甘い伊自良大実柿の干し柿が世に出てくるんですね。

干し柿や伝統のお菓子、そして柿渋染め商品が買えるお店は?

伊自良大実柿の干し柿は、生産数も少なくあまり市場に出回りません。
購入できるのは伊自良の農産物直売所である「てんこもり」か「しゃくなげの里」になります。
店頭に出回るのは12月中旬あたりからで、年末から1月初旬が最も食べごろだといわれています。

おすすめはもちろん連柿の状態で売っている「干し柿」。
迎春の飾りや贈答用としても喜ばれ、手間暇かけて作られた「本物の干し柿の味」を堪能することができます。

そしてこの伊自良地区には、その干し柿を使用して作られる変わったお菓子があります。
その名も「ゆず入り巻柿」といい、千切りにしたゆずの皮を芯にして、開いた干し柿を巻いて作ったという特産品です。
干し柿の甘さとゆずの香りがとても相性が良く、香りも食感も味覚も楽しめる逸品です。

また伊自良大実柿からは良質な柿渋(渋柿の若い実を搾ってできた果汁を期間熟成させた染料)が採れ、最近ではその抗菌作用が注目されて柿渋マスクなどがよく売れています。
柿渋には他にも防水性、防腐性、防虫性があり、漁具や木製品、和紙、和傘、麻、伊勢型紙を染めるのに使われています。
昭和40年頃に柿渋染めの需要減によって「渋屋」はいなくなってしまいましたが、今ではこの文化を残したいという若い人の力によって復活しました。
こちらも伊自良にある「柿BUSHI」にて、様々な柿渋商品を買ったり、染めたりすることができます。


2021.05.27

INFORMATION

名称
伊自良大実柿
所在地
岐阜県山県市平井地区周辺
お問合せ
0581-22-6830(山県市役所農林畜産課)
女性のイラスト
いつ見ても伊自良大実連柿の迫力と美しさは圧巻なんですが、かつて昭和30年代の最盛期には200軒ほどの農家が軒先に連柿を吊るしていたそうです。考えただけですごい光景ですよね!柿の品種としては全国的にあまり知られてないですが、それは少数生産&地元消費で市場にほとんど流通してないから。奇跡の品種を恵まれた環境の中で育て、これだけの手間暇をかけて作る干し柿もはや伝統工芸品の領域。芸術作品ともいえるこの希少な柿は、必ず次世代に伝えたい山県の誇りです!